拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2011年3月15日午後5時現在において、当社の受託している電子公告調査の全件につき、地震発生後現在まで、公告実施会社様のサーバダウン(公告の中断)は、生じておりません。
今後、東京電力の電力供給の調整のため、計画停電が予定されています。電子公告の実施会社様において、サーバ設置拠点が計画停電になった場合、サーバの計画停止をせざるを得ない場合があります。このような場合、公告実施会社様がどのように対応したらよいのかについて、解説を試みます。
1.停電が発生した場合の対応
公告実施会社様のサーバ設置拠点が、計画停電対象地区になった場合は、以下の対応方法が想定されます。
(1)あらかじめ、計画停電開始前に、サーバの故障を回避するため、サーバの電源を落とす場合。
(2)計画停電対象地域になったとしても、その設置拠点が実際停電になるかどうかわからないため、停電後サーバを停止する場合。(無停電電源装置(UPS)により、数分間稼働後、自動または手動停止する場合。)
上記、いずれかの方法でも、サーバの電源が切れることにより、公告に中断(公告情報にアクセスできない状態)が生じます。公告の中断とは、会社法第940条第3項に規定されています。
2.公告の中断が生じた場合の公告実施会社の対応
当社の2011年3月13日付ホームページ掲載の「東京電力の計画停電に伴う、お客様サーバの計画停止報告のお願い」において、追加公告が必要である旨をお知らせいたしました。
電子公告制度の主管である「法務省民事局商事課」からも、2011年3月14日に以下の連絡が、全調査機関に通知されておりますので、ご紹介します。
【連絡】計画停電に伴う会社法第940条第3項第3号(追加公告)の取扱いについて
東北太平洋沖地震の影響により、関東圏を中心に今後も計画停電が行われる予定となっております。停電により公告の中断が生じたときは、会社法第940条第3項第3号(追加公告)の規定により、その都度、追加公告を掲載する必要があります。
3.追加公告の必要性が生じた場合の追加公告の時期(当社見解)
では、毎日のように、計画停電対象地区に該当し、実際停電が生じ、追加公告が必要になった場合は、追加公告をその都度しなければならないかどうかについて検討します。
原則は、上記法務省の見解のとおり、「その都度、追加公告を掲載する必要があります」が、実際にすみやかに追加公告を実施できない場合も想定されます。そのような場合は、状況に応じて、数回の中断をまとめて追加公告することで対処せざるを得ません。(法務省民事局商事課に確認済み)
この根拠として、「公告の中断が公告期間の終盤になって生じ、追加公告をすることができない場合は、追加公告をしなくても、公告の効力に影響を及ぼさないものと考えられます。不可能を強いることはできないからです。」(平成16年改正会社法、始関正光編著、商事法務、23ページ、Q18)の記述が参考となります。
敬具
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